橘玲の「中国私論」

 

橘玲の中国私論---世界投資見聞録

橘玲の中国私論---世界投資見聞録

 

 

 「世界投資見聞録」ということで書かれた、橘さんの「中国私論」と
いうことなのですが、「私論」と銘打たれているとは言え、実に良く、
中国人の行動の「根っこ」が分かりやすく紹介されています。

 橘さんはこの本の中で、再三、中国は「統治するには人口が増えすぎ」
た、とおっしゃられていますが、それは、統一した政権が出来たと言われ
る秦の時代から現代に至るまで、権力を行き渡らせた経験がないという
意味で、中国の通史を通しての特徴のようです。

 ということで、欧米諸国や日本などと比べると、権力への対峙の仕方が
異なることが、中国人の行動の理解しにくい部分のようで、権力に完全に
服従するという感じではなく、うまくいなしていく、という感じのようで
す。

 それよりも中国人にとっては、自分にメリットがある人と人とのつなが
りの方が遥かに重要なようで、「関係(グワンシ)」というのですが、そ
のためであれば、平気で権力の意図と反する行動ができるようです。

 その他、いろんな国から侵略を受けているにも関わらず、日本にだけ反
発し続けるのはなぜか、など中国人の思考や行動の根拠がホントによく
わかります。
 
 中国に関わるすべての人に、特に安倍首相に手にとっておくよう、強く
勧めたい本です。(笑)