明日のプランニング/佐藤尚之

 

 

 グルメサイトで名高い“さとなお”さんの、本業である広告
関連での著作である、「明日の~」シリーズ第3弾です。

 「明日の」シリーズでは、広告などに使うコミュニケーション
メディアの多様化と、その中で如何にターゲットである層と、濃
密なコミュニケーションを図って行くか、ということを一貫して
扱われていますが、本作では、SNSの爆発的な拡大を受けて、拡散
される情報量の爆発的な増加と、情報の送り手・受け手双方の
情報の取り扱いの難しさを冒頭で語られています。

 「送り手」側の困難はイメージとしてよく理解できて、情報を
伝えたい相手に情報を受け取ってもらうのが極めて難しくなって
いるということはわかるのですが、逆の「受け手」も、あまりに
も情報が多すぎて、本当に必要としている情報を適切に探すこと
が難しくなってきている、というのは驚きでした。

 そこで、「伝えられたがっている」受け手に十分な情報を提供
するための最後にして、最強の方法論というのが、“ファン”に
なってもらって、コミュニティに参加してもらうということだ、
ということです。

 川上さんのストーリー・ブランディングとかで、ファンになっ
てもらうための方法論とかは読んでいたのですが、“過不足なく
無く”欲しい情報を受け取るためにも役立つというのは、ホント
に目からウロコでしたね。