
- 作者: 浜田宏一,若田部昌澄,勝間和代
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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勝間さんが、かのトービンの薫陶を受け、白川前日銀総裁
の恩師でもあったと言う伝説の経済学者・浜田先生の教えを
受けるというカタチでの本です。
この本が出版されたのは、民主党政権時代のデフレ期で、
かねてから脱デフレの政策の導入を提唱していた勝間さんが、
自身の主張に近い意見を持つ大家と、脱デフレのための政策
論を、教えを受けるというカタチで展開されています。
加えて、経済学史がご専門の若田部先生が、今回のデフレ
の歴史的な位置づけについて紹介されています。
それにしても、この本を読んでいて不思議に思ったのが、
日銀のインフレアレルギーともいえる伝統的な体質のこと
です。
どこかで、そういう痛い目に遭っていれば、まだ理解でき
なくもないのですが、そういう痕跡は見当たらない中で、組
織としての考えが、ここまで“感情論”的に受け継がれてい
るというのは、大きなナゾです。
もう少し、日銀が、なぜそういう組織的な“感情”を持つ
に至ったか、ということを掘り下げて紹介されていれば、も
っとよかったのになあ、と思います。
それにしても、アベノミクスによる、インフレターゲット
を用いた金融政策が、今のところ、当初期待したほどには
効果を上げていない現状を見て、お三方がどう感じられてい
るか、聞いてみたい気はしますね。