略奪大国/ジェームス・スキナー

 

略奪大国~あなたの貯金が盗まれている!~

略奪大国~あなたの貯金が盗まれている!~

 

 

 先日紹介した『あなたはお金のしくみにこうして騙されている  (5次元文庫)

とちょっと通じるところがあるのですが、政府が経済に
果たす役割…って言うよりも「害悪」について語られて
います。

 本来、アダム・スミスの「神の見えざる手」で言われ
るように、市場の均衡に委ねておけば、経済は自然に効
率的に運営されるはずなのですが、ごく一部の「市場の
失敗」を重大に捉えて、現在の日本では、経済に果たす
政府の役割が無用に大きなものになっています。

 でも。そのことで、彰会に市場の効率性を損なってい
るのみならず、政府組織の自己保存の機能が働いた結果、
経済にとって「余計なこと」を散々やっているというこ
とです。

 その結果、雪だるま式に膨らむ赤字国債の垂れ流しに
行きついてしまった訳ですが、このまま政府のやるよう
に任せておけば、永遠に赤字国債が解消することが無い
ばかりか、逆に拡大が加速してしまい、早晩、破綻して
しまう、ということを予言されています。

 その中でも2つ印象的だったのが、政府が行っている
「規制」の無意味どころか有害さと、政府が有能な人材
を囲い込んでいることによる社会的な損失、ということ
です。
 
 ということで、できるだけイランことをしてくれるな!
というのが日本経済を再生させるベストの手段だと言う
ことなのですが、現況と照らし合わせてこの本を読んで
いると、ホントにそうだなあ…と思わざるを得ません。