学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話/坪田信貴

 

 

 前々から読みたかったのですが、本を買うほどには食
指をそそられなくて、図書館で半年待ってようやく手に
取りました。
 
 この本、川上さんの『答えはすべて本に書いてある。』
で、如何にモチベーションに火をつけるか、というテー
マの参考図書に挙げられていましたが、やっぱり、それ
は、如何に人が人に認められることが重要か、というこ
とに尽きると思います。
 
 モチロン、ご本人であるビリギャルことさやかさんの
努力は、いくらたたえられても十分とは言えないほどの
偉業ではあるのですが、そのさやかさんの可能性を信じ
てサポートをつづけた、お母さまである、ああちゃんと
塾の先生であるこの本の著者・坪田さんの偉業であると
も言えます。

 親にしろセンセイにしろ、ちょっとコドモのデキが悪
くなってくると、すぐに悲観して見捨ててしまいかねな
いところですが、そういうところはコドモも、自分は認
められていないんだ…ということを敏感に感じ取って、
よりモチベーションを低下させてしまうことが、往々に
して起こるようです。

 それを、どれだけレベルが低くても、可能性を信じて、
本気で「お前にはできる!」と言い続けて、適切なサポ
ートを継続できるというのは、なまなかなことではでき
ないと思います。

 この本の中で象徴的な比喩を坪田センセイが書かれて
いるのですが、その時点であまりデキのよくない生徒に
対して、「君はフェラーリなんだけど、今はガソリンが
入っていなくて、その性能が発揮できていないだけなん
だ。ガソリンが入れば、快速で走っていけるんだ!」と
いった趣旨の言葉で励ます、といった表現があります。

 パッと見、あまりデキの良くない子に、如何にしてフ
ェラーリを見出すことができるのか…オトナのイマジネ
ーションこそが、コドモのやる気のモトなのかも知れま
せん。