働き方は「自分」で決める/古市憲寿

 注目の若き社会学者、古市さんの著書を手に取ってみました。

 若年層の「働き方」に関する本なのですが、東京ガールズコレク
ションを手がけられている方や、俳優から映画監督に転身された方
など、比較的知名度のある方が取り上げられているのですが、だか
らと言って、特殊な話という訳でもなく、「起業」の新たな「在り方」
を紹介する、と言ったスタンスのように見受けられます。

 「起業」って言うと、自分の理想を実現するためとか、勤務先を
クビになったからとか、いずれにしてもそれなりの「覚悟」を持って
取り組む、といったイメージがあるもんではないかと思うのですが、
この本に取り上げられている方々は、自分が心地よい働き方を求めた
結果、自然に「起業」というカタチに落ち着いていた、という感じの
方が多いのです。

 最後に古市さんとSEKAI NO OWARIのメンバーとの対談が掲載されて
いるのですが、その総括での「現代社会には、真に倒すべき敵なんて
いない。ここまでいけば「勝ち」という正解もない。だからこそ、仲
間を大切にしながら生きるその姿に、多くの若者たちは共感するのか
も知れませんね。」というコメントがこの本を象徴している気がしま
す。