五体不満足／乙武洋匡

五体不満足 完全版 (講談社文庫)

　乙武さんが世間的に認識されるきっかけとなった本を、出版から
15年以上経って、ようやく手に取ってみました。

　「障害は不便です。しかし、不幸ではありません」というヘレン
ケラーの言葉を引き合いに出して、障害を持っているということは
単なる身体的な特徴に過ぎない、とおっしゃっています。

　本人の前向きな姿勢が、周囲の自然な理解を促したという側面は
あるのだと思うのですが、それにしても、周りの友人たちや先生、
そしてご両親の絶妙な接し方が、彼の類まれなるバイタリティを
伸ばすことを促したんだろうなあ、ということを思うにつけ、障害
という身体的な特徴を最大限に活かしたんだなあ、と感嘆する思い
です。