ザイニチ魂！／鄭大世

ザイニチ魂！―三つのルーツを感じて生きる (ＮＨＫ出版新書　337)

　現在、清水エスパルスに所属していて、北朝鮮代表として活躍したことでも知られる鄭大世選手の回顧録です。

　鄭大世選手と言うと、南アフリカＷ杯の北朝鮮代表としての初戦のブラジル戦の国家が流れている時に号泣されていたことが印象的ですが、複雑な境遇を乗り越えるための周囲のサポートを思って、と言うことで、彼のアツさを痛感させるエピソードですよね。

　この本が出版されたのは、南アフリカＷ杯を終えて、ドイツ・ブンデスリーガ２部のボーフムに移籍した直後となります。

　惜しむらくは、彼がヨーロッパで、特に彼自身が望んでいたプレミアリーグでの活躍を実現できなかったと言うことが、フロンターレ時代の鬼気迫る活躍を知るものとしては残念な気がします。

　何とか全盛期のプレーを取り戻して、再び北朝鮮代表の「人民のルーニー」として活躍してくれることを望んでやみません。