スポーツジャーナリストである著者が、恩師からの最期の「講義」をまとめた本です。
実はこれも『妻社長』の推薦図書で、かつ読書家として知られる、ラグビー日本代表の前ヘッドコーチであるエディ・ジョーンズ氏の推薦図書でもあります。
恩師であるモリー先生が死期を悟り、久々に再会した愛弟子に「人生の意味」を語ります。
ALS(筋萎縮性側策硬化症)を患った先生は、日々目に見えて衰えていく中、冷静に死を見据え、毎週火曜日に著者に「人生の意味」に関する「講義」を行う訳ですが、カネや愛、家族、老いなどのテーマをが含まれますが、やはり「人とのつながり」ということを大きく扱われています。
先生が体験した「家族との別れ」がいくつか語られているのですが、そのことによってもたらされる「依存の喪失」が印象的です。
モリー先生の場合、親を亡くした際のエピソードに顕著ですが、弟や叔父さんなどの親族でも、意外と「依存」しているということで、その「喪失」のもたらす空虚さが印象的です。
モリー先生の「弱さ」と「強さ」のコントラストがより、生命というものを考えさせられます。