マクドナルドの経済学/原田泳幸×伊藤元重

 

マクドナルドの経済学

マクドナルドの経済学

 

 

 「デフレの勝者」と言われ、外食産業が軒並み売上を上げられなかったデフレの時期に一人勝ちしていたマクドナルドの「勝因」を当時のトップが語ります。

 で、今の体たらくなんですが、今の事態を招いたのは何なのか、というちょっとイジワルな観点でこの本を読んでみました。

 この時期、価格戦略が功を奏した、といった論調が多かったのですが、そうとは言い切れない部分があったのは、その後の推移を見ても明らかでしょう。

 この本で原田さんは、強味と言うことでマクドナルドのアイデンティティとして、「アメリカ」を体現していること、とおっしゃいます。

 その上で、日本的な品質管理やプロセスマネジメントを加えて、サービス面での優位も築いています。

 チキンナゲットの不祥事で品質面での優位のイメージを失い、メニューをコロコロ変えることでアイデンティティを失い…アメリカ人の社長よりも、日本人である原田さんが、アイデンティティをより強くアピールしていたのが皮肉ですね。