あなたの見ている多くの試合に台本が存在する/デクラン・ヒル

 

あなたの見ている多くの試合に台本が存在する

あなたの見ている多くの試合に台本が存在する

 

 

 スキャンダラスなタイトルですが、それもそのはず、サッカー界の八百長についての本です。

 あまりあからさまに個人名が出てくるという感じではないのですが、八百長が発生するメカニズムや背景、八百長に加担してしまう動機について構造的に解説されています。

 この本では、八百長と言うのは腐敗度の高いところにだけ起こるというものではなくて、どこにでもそれなりの誘因があって、損得勘定をベースにして、ある程度の合理性を持って起こるものであると説明されています。

 当然どのスポーツでも八百長は起こりうるのですが、サッカーにおいて顕著なのが、その誘因が強いというのもあるのですが、足でボールを扱うスポーツであるがゆえに、試合には“失敗”が起こりやすく、単なる失敗なのか、八百長に加担したが故の“故意”のものであるのかが判別しにくいことで、八百長の温床になり易いことを指摘されています。

 彼岸の火事だと思われるかもしれませんけど、日本代表の試合でもすんでのところで、対象になっていたかもしれない、ということですよ…