今年の大河ドラマは「真田丸」ということで、昔『真田太平記』に感激の余り、上田城を訪れたワタクシにとっては、望外の僥倖ということで、毎週楽しみに観ております。
で、日本中世史を専門とする歴史学者の方が書かれた、大坂の陣における真田幸村(信繁)の奮闘を中心とした内容についての諸説を検討すると言った本です。
真田幸村というと、大名にすらなっていないにも関わらず、後世において『真田十勇士』などの講談の題材となったように、言わば江戸期のヒーローものの主役だったわけですが、その所以は、敗色が濃い大坂夏の陣の豊臣方において、家康を自刃の間際にまで追い詰めた奮闘ぶりに求められると思います。
ただ、世間に流布している幸村のイメージと言うのは、ヒーローものの脚色といった側面が多いことも否めないようで、そういった部分を整理して解説されています。
ただ、少なくとも夏の陣においては、物量・組織面から見ても絶望的な状況であったのも関わらず、渾身の一撃を加えた姿が、徳川の治世に不満を持つ庶民から見て、さぞ痛快だったことだろうな、と感じます。
いやあ、なおのこと『真田丸』が楽しみになりました!