マインド・コントロール/岡田尊司

 

マインド・コントロール 増補改訂版 (文春新書)
 

 

 「知の怪人」佐藤優さんの推薦本ですが、佐藤さんの推薦本でマインドコントロールなんて、おどろおどろしすぎませんか?(笑)

 どうしてもマインド・コントロールというと、独裁国家やテロ集団、カルト集団なんかを思い浮かべてしまうわけですが、実はそんなにかけ離れた世界のことではなく、日常生活のごく身近にあり得るということを意識しておいた方がいいようです。

 というのも、詐欺商法も一種のマインド・コントロールで、巧みにそういう技法を駆使しているということです。

 でも、だからといって避ければいいというものでもなくて、うまく活用すれば、ビジネス的に有用だったりもしますし(石井裕之さんが提唱するコールド・リーディングとか…)、日本の医師法的にはちょっと問題ありなのかもしれませんが、難病を治癒させるための有効な手段にもなり得ることがあるということです。

 この本では、マインド・コントロールの事例と、メカニズムについて、非常にわかりやすく、かつ詳細に、しかも冷静な筆勢で書かれているので、大変参考になります。

 毛嫌いせずに、だまされないためにも是非ご一読のほどを!