アジア・シフトのすすめ/田村耕太郎

 

アジア・シフトのすすめ (PHPビジネス新書)
 

 

 元参議院議員で、今はシンガポールに拠点を移して、アジアで活躍する日本人エリートの育成を手掛けておられる方の著書です。

 主旨としては、今最大のビジネスチャンスが転がっているのはアジア、その中でも特にシンガポールを中心としたASEAN諸国だということです。

 特に、アメリカの影響力が低下してきており、中国のプレゼンスが高まっていく中で、中国には警戒感を持ちながらも、日本に好意を寄せることが多いASEAN諸国に大きなビジネスチャンスがある…でもそれは“早いもの勝ち”で、今飛び出してつかみに行かないと!ということです。

 日本国内では、人口減少で市場が縮小して行くのに対し、東南アジア諸国では、これから人口ボーナスのメリットを享受する国も多く、また日本では既に陳腐化しているような技術や方法論であっても、東南アジア各国では、その成長過程に応じて、そう言うものを必要としている国がたくさんあるんだ、ということです。

 ただ、日本人のドメスティックな感覚のままで出て行っても成功は覚束ないということで、早めにそういうところに飛び出して、そういったスキルを研ぎ澄ますことが重要なようです。