元外交官の方が書かれた「戦後史」なんですが、この本も藤原和博さんの『本を読む人だけが手にするもの』の推薦図書です。
そもそもこの本の著書である孫崎さんが編集者から「高校生でも読める冷戦後の日米関係」史を、ということで依頼されたモノが、それじゃわかりにくくなるので、ポツダム宣言受託のところから始められています。
ただ、ご本人は「高校生でも読める」ことを意図されたとおっしゃっていますが、かなりディープで混み入ったところまで言及されており、ちょっと高校生には難解なんじゃないか、と言う気はするのですが、それだけに読み応えがあります。
ということで「日米関係を手掛かりにした戦後史」ということなんですが、戦後の日本と言う国を有態に言ってしまえば「アメリカの飼い犬」ということになる、くらいのことをおっしゃています。
そもそも占領時は、公用語を英語にして、通貨をドルにしようという意図すらあったということですし、直接、間接の圧力により、最高権力者である首相のクビを飛ばすことも一度や二度ではなく、特に中国への接近を図った人のクビは例外なく飛んでいるようです。
だって、仕方ないやん!と言うのが大体の日本人の見方なのかも知れませんが、隣国でありながら気骨を持って対応しているカナダのことも紹介されています。
まあ、おそらくこの状況と言うのは変わらないんでしょうけど、いつかカナダのような毅然とした態度を…と憧憬するのも、多くの日本人の偽らざるキモチだとは思いますが…