英語学習の極意/泉幸男

 

英語学習の極意 (文春新書)

英語学習の極意 (文春新書)

 

 

 商社にも勤務されていた方の著書なんですが、この方、商社の業務として以前に、学生時代から英語はモチロンのこと、中国語、ドイツ語をはじめとして、何と16種類の言語の学習に取り組み、そのほとんどを仕事でも運用可能なレベルにまでマスターされた方だということです。

 そうした経験を踏まえての英語習得のノウハウなんですが、最後の1/3位は英語以外の言語習得に向けたご自身の体験談を紹介されています。

 まず外国語を習得する上で、そのプロセスを将棋を始めとするボードゲームになぞらえておられて、1つ1つのコマの動かし方を少しずつ学んでゲームをするのではなく、ゲームの概要を知ったらゲームに取組み、詳細のコマの動かし方を段々と習得していくでしょ、ということで、英語も全体像をある程度短期間でイッキに学んだ上で、語彙や文法などの細かい運用を学ぶべきだとおっしゃっています。

 そういう仕組みを覚えた後は、できるだけ多く「実際に使われている英語」に触れて、その運用の実態を身に付けていくべきだ、ということです。

 その際に初学者にとって有用なのが、学習者向けの辞書に書いている例文を学ぶことだとおっしゃいます。

 独学で10種以上の言語を習得した方ということもあって、ちょっとクセのあるキャラの方とお見受けしましたが、逆にそれが故に、面白い語り口で書かれた本文はわかりやすく、ワタクシも改めて中国語の習得に取り組んでみようかな、と思いました。