「読まなくてもいい本」の読書案内/橘玲

 

「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行本)

「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行本)

 

 

 「読まなくてもいい本」を敢えて紹介しようというあたりが橘さんらしくて、人を食ってていいなあと思って手に取ってみたのですが、この本はかなり難解です。

 いつも橘さんの本って、読むのにかなりアタマを使わないといけなくて、結構大変な思いをすることが多いのですが、ここまでついていけないのは初めてかも…

 そもそもこの本は若い人に「どんな本を読んだらいいですか?」って、あまりにも頻繁に聞かれるんで、メンドくさくなって、じゃあ、読まなくていい本の「傾向」を紹介しようということで書かれたということです。

 分野として、
  
   ・複雑系
   ・進化論
   ・ゲーム理論
   ・脳科学
   ・功利主義

ということで書かれていますが、モチロンこれらの分野の本、すべて読まなくていいというワケではなくて、それぞれの分野での推薦図書も挙げられています。

 最後になぞ解きをされていますが、読み進んでいるうちは、何を「読まなくていい」のか、あまりに難解でよくわかりません。

 でも、そこかしこになるほど…とうならされることが紹介されているので、解らないからと言って安易に読み飛ばせません。

 一番印象的だったのが、進化論のところの話で、例えば、セックスがキモチいいのは、種の保存のために役に立つからで、腐ったものがマズいのは、それを食べるとカラダに悪いからということで、人間、キモチのいいことをしていると概ね間違いないように「デザイン」されている、ということでした。

 最後の謎解きが一番重要なのですが、それを紹介してしまうと、あんまり読む意味がなくなってしまう気がするので、敢えて紹介しないでおきます…読んだ時のお楽しみということで…(笑)