日本における競技としてのマラソンの黎明期から市民マラソン全盛の現代までのマラソンの歴史を辿った本です。
日本人のマラソン好きというのはつとに語られるところですが、ストイックに競技に取組む姿勢というのが、日本人の美意識にマッチしているんだなぁ、ということなんですかね!?
かつては世界でのトップを伺うような競争力があったのですが、リオ五輪では入賞すら遥か遠くに霞んでいるような状況に陥っています。
そういった流れをこの本で見ているうちに、日本のスポーツ界にありがちなシガラミというものが鼻にツイてきます。
日本の競技団体の閉鎖的な体質が、世界のトップの急激な進化についていくことを阻んでいるというのは、マラソンにせよ、ラグビーにせよ、多くの競技で見られることですが、そういう「お山の大将」で満足するメンタリティが残念でなりません。
市民マラソンが盛んになっているのはいいことだと思うのですが、それを全く競技レベルの向上に繋げていないというのは、マラソン界のビジョンの欠如と言えそうです。
こうした人気に甘えずに、より高いところを目指す意識を持ってほしいものです。