ビートルズとボブ・ディラン/中山康樹

 

ビートルズとボブ・ディラン (光文社新書)

ビートルズとボブ・ディラン (光文社新書)

 

 

 このブログでは、一応自己啓発と言うか、自分を高めるのに役立つ本を紹介するということで、スポーツならそういう側面もあるか、ということで、割と頻繁に紹介しているのですが、もう一つのワタクシのディープな趣味である音楽に関しては、そういう要素があまりないかな?ということでこれまで紹介してこなかったのですが、ボブ・ディランノーベル文学賞を取ったからというワケではないのですが、禁を破って紹介してみます。

 この本の著書の中山康樹さんは、元々ジャズの雑誌である『スイングジャーナル』の編集長を勤められたこともあって、ジャズの書き手として著名だったのですが、次第にロック関連の著作も多く手掛けられるようになって、この本につながったようです。

 冒頭で、60年代はビートルズボブ・ディランの時代だった、とストーンズのファンを無視した発言をされていますが、まあ、この本の主題へのネタフリということでなんですかね…

 この本で、ビートルズのメンバーとボブ・ディランの、ワタクシが思っていたよりずっとディープな交流が描かれるワケですが、似た者同士故に、強烈に惹き合ったり反発し合ったりを繰り返す、ジョン・レノンボブ・ディランの関係性であったり、その後長く友好関係を続け、最晩年には共にトラベリング・ウィルベリーズで活動を共にするジョージ・ハリソンとの関係が描かれます。

 でも、何といってもビートルズボブ・ディランとの交流により、その詩作に深みを加え、ボブ・ディランビートルズとの交流で、サウンド面でロックへのアプローチを見出すなど、両者の交流がなければ、その後のロックが、ここまで豊かな発展を遂げなかったんじゃないかも…と思える程のインパクトがあったということを、改めて明らかにします。

 今まで解りきってると思っていた、ビートルズボブ・ディランのクロニクルですが、両者をこんな風に絡めて紹介することで、こんなに新たな発見があるとは思いもしませんでした!

 すべてのロックファンに手に取って欲しい本です!