僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版/瀧本哲史

 

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

 

 

 マッキンゼー勤務を経て、兄弟で教鞭をとられている方の著書だということですが、この本ってフルバージョンの方が2012年のビジネス書対象を受賞されたということですね。(って、そんな賞があったんだ…)

 最近モノが売れない…それは大量生産大量消費時代のコモディディ化した商品が売れないということなんですが…ということを聞くようになって久しいのですが、最早人材と言う“商品”も例外ではなく、労働市場グローバル化の洗礼を受ける中、人材も“コモディディ化”してしまっては、安く買い叩かれることになってしまったということで、そうならないための「武器」を身に付けてもらおう、というのがこの本の趣旨です。

 少なくとも現時点で、曲りなりにう「売れる」スキルとしてこの本の中で、

  1. 商品を運んで売ることができる人(トレーダー)
  2. 専門性を高め、高いスキルで仕事する人(エキス
   パート)
  3. 商品に付加価値を付け、市場ニーズに合わせ売る
   ことができる人(マーケター)
  4. 全く新しい仕組みを生み出せる人(イノベーター)
  5. 起業しリーダーとして行動する人(リーダー)
  6. 投資家として市場に参加する人(インベスター)

を挙げられています。

 結論から言うと、インベスターになろうというのがこの本のおススメなのですが、どうしても日本では投資家というのに、元々いいイメージが無くて、一時期のファンドの暗躍がそれに火を注いでしまった側面はあるのですが、当然社会的な意義は大きいということで、インベスターたることを啓蒙されます。

 ただ、多分この本は大学生や若いビジネスパーソンをターゲットにされていると思われるのですが、そういう人たちが、いきなり投資家になろうとしても、そんな元手を調達できる人は、そうはいないでしょう…というツッコミはあるのですが、そういうインベスター視点を以って仕事をすること自体が、かなり強力な「武器」になるということのようです。