一流の指導力/立花龍司

 

 

 日米の野球界において、コンディショニングコーチとして活躍された立花さんによるコーチングに関する本です。

 「コーチング」というと最近はビジネスの世界でも取り沙汰されるようになっていますが、立花さんの提唱するコーチングと言うのは、日本のプロ野球において旧来から行われていた押し付け型の“コーチ”ではなくて、選手の意志を尊重し考え方を引き出す、ビジネスの世界での“コーチング”に近い方法論を提唱されています。

 旧来型のように押し付けてやらされるよりも、自らの気付きを元に実践する方が、ナットク感もあってか、圧倒的にパフォーマンスがよくなるということです。

 コンディショニングコーチということで、カラダの方ばっかりを想定していたのですが、そういうメンタルの部分を重視した考え方って、立花コーチが活動を始めた頃は相当斬新だったでしょうね…野茂さんが球団との軋轢を顧みず立花さんに固執した理由が、この本を読んでわかった気がしました。