「遊ぶ」が勝ち/為末大

 

 

 「侍ハードラー」為末さんがホイジンガの『ホモ・ルーデンス』に沿って、これまでのご自身の取組を語られます。

 『ホモ・ルーデンス』では「遊び」について語られるのですが、始めは純粋に楽しみとしてやっていたことでも、それをやり続けていると、何らかの義務感が伴うようになり「遊び」ではなくなってしまうということです。

 為末さん自身も最初は単純に楽しくて走っていたのが、結果を残すようになったことで、自身も周囲も何らかの期待を抱くようになり、それに応えようとする、もしくは応えないといけないと思うようになり、遊びとしての要素を失っていってしまったということです。

 それでも純粋に楽しみとして走っていた頃よりも、義務感を負ってから方が段々と結果が出なくなるということを経験されて、その過程で『ホモ・ルーデンス』を読んだところ、遊びが遊びで無くなることで喜びが少なくなり、ひいては成果も小さくなって行くことが書かれていたということです。

 そんな中で如何に純粋に協議に取り組むかということに腐心されたことで、幾分「楽しみ」を取り戻せたことで実り多い現役生活を送れたようで、そういうバランスを取ることの意義を指摘されています。

 やっぱり楽しんでやることがパフォーマンスの向上につながるのは、どんなことでも顕著なようで、自分が取り組むことに何らかの楽しみを見つけることで、より高みに達することができるようです。