少子社会日本/山田昌弘

 

少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ (岩波新書)

少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ (岩波新書)

 

 

 「婚活」と言うコトバをメディアで使い始めた山田先生の「婚活」以前の本です。

 2007年出版の本なんですが、その15年前位から少子化の傾向が高まっていたのですが、有効な手立てが打たれぬまま、かなり深刻な状況になったワケですが、その後10年近く経った現在においても、相変わらず有効な手立ては打たれていません。

 少子化が進展した理由って、まあ複合的なモノがあるんでしょうけど、一番大きな理由としては晩婚さらに最近は生涯結婚しない人が出てくるなど、婚姻率の著しい低下を指摘されています。

 ある程度経済が発展すると、それにつれて婚姻率が低下するのは、大きな趨勢としては仕方がない部分もあるようです。

 というのも、実家がそれなりに裕福になって経済的な不安がなければ、結婚することにより生活レベルが低下してしまう可能性が高く、結婚への誘因が下がるからです。

 それに加えて、非正規社員の増加で結婚できるだけの経済力を持った人が減ってしまい、さらに婚姻率が下がることとなってしまったようです。

 ということで、結婚する世代に対して、何らかのサポートが必要なのですが、あまりコンセンサスができていないようで、このままじゃジリ貧ですよね…