下流社会/三浦展

 

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

 

 

 「自分探し」関連だったり「婚活」関連だったりの本に参考図書として挙げられているのを何度を見たので、手に取ってみました。

 この本は2005年なのですが、いわゆる「失われた20年」の真っ只中だったということで、かなりヒットしたようです。

 かつて「一億総中流社会」といわれていたのですが、その頃は全体の6割の人が自分を「中流」だと思っていたということですが、段々とその意識が「下」に向いて行っているということです。

 不況の影響もあるのですが、かつての終身雇用制が崩壊し、さらには雇用の非正規化が進んでいることもあるようです。

 この本では、その時点の「下流」意識よりも、今後の生活水準が向上すると思うか?という問いに対する回答が問題になっていて、「下流」の大半が悲観的な回答をしているところが問題だと指摘されています。

 さらに「下流」のモノの考え方や嗜好についても触れられているのですが、実は「自分探し」に強い関心を示す人は下層に位置づけられる人に多いということで、卵が先か鶏が先かという話もあるのですが、「自分探し」はあんまりシアワセにつながる確率が高くないようです。