SMAPと平成ニッポン/太田省一

 

 

 2016年末に出版されたジャニーズ本紹介の第2弾ですが、社会学者がSMAPの社会的意義を語ります。

 “国民的アイドル”と言われて惜しまれながら昨年末に解散したSMAPですが、最初から順風満帆の船出をしたワケではなく、芽が出ないまま消えていく寸前だったようですが、生き残りのための様々な取組が、結局は“国民的アイドル”となることにつながったようです。

 というのも、アイドル斜陽の時期にデビューしたSMAPが、生き残るために活躍の場を広げようと、バラエティ番組などに出演するうちに、「偶像としてのアイドル」ではなく、「トナリにいるかもしれない」といった新たなアイドル像を作り出すことになり、そのイメージにピッタリな「夜空ノムコウ」そして社会現象ともなった「世界に一つだけの花」をモノにしたことで、その地位をゆるぎないモノにしたようです。

 確かに、SMAPを見れなくなったのは残念ですし、多少後味の悪さがあったことも否めませんが、ある意味十全に役割を果たしての解散だったのかもしれないな、とこの本を読んで感じました。