武器としての人口減社会 国際比較統計でわかる日本の強さ (光文社新書)
- 作者: 村上由美子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/08/17
- メディア: 新書
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先日、デービッド・アトキンソンさんの『デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論』で、最早人口増が見込めない以上、生産性を上げてGDPを増やすしかない、というお話を紹介しました。
パッと見、真逆と言うか、人口ボーナスと言う“定説”を覆すかのようなタイトルですが…
この本を書かれた村上さんは、OECD(経済協力機構)の東京センター長を務められている方で、かつてはゴールドマン・サックスでキムされていたという方だということで、人口ボーナスのことを知らないワケはないのですが、このタイトルはどういうことなんだ!?と、読み始めた時点ではワタクシのアタマのなかは、????だったワケですが…
モチロン、人口ボーナスの定説のことは念頭に置いた上でお話をされているわけですが、実は日本人と言うのは、アトキンソンさんもおっしゃっていた通り、個々の人が持
っている能力の割に、経済指標上現れている数字はショボいというのが、個々の能力においても、経済でのパフォーマンスにおいても顕著に現れているということです。
その原因というのが、アトキンソンさんも挙げられていた女性の能力が十全に活用されていないということもあるのですが、終身雇用均衡を前提とした新卒一括が未だに続いていることにより、出世をし損ねた40、50代の人たちの能力が、統計上、世界的にも傑出したモノであるにも関わらず、ムダになっているということです。
また、発明件数など、日本はイノベーションの素地が豊富であるにも関わらず、それをビジネスにして収益に結び付けている割合が著しく低く、そんなこんなで、日本って相当“モッタイナイ”国なようです。
ということで、それをちょっと“結果”に結びつけるだけで、相当スゴいことになるようで、なんとかなんないですかね…と、この本を読んだら歯噛みをする人が続出ですよね!?