資本主義の極意/佐藤優

 

資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ (NHK出版新書)
 

 

 「知の怪人」佐藤さんが『資本論』に沿って“資本主義”を語ります。

 『資本論』なんて、共産主義が過去の遺物となった現代では、すっかり忘れ去られたモノかと思っていたら、最近『資本論』をテーマにした本がやたらと出版されててオドロいていたのですが…

 ただ“過去の遺物”となっているのは『資本論』の中でもイデオロギーに関する部分のみで、資本主義を分析した「マルクス経済学」の部分については、今なお有効な分析があるようで、「マルクス経済学」研究の第一人者である宇野弘蔵さんの研究をと通して、明治維新から現代に至るまでの日本における資本主義の経緯をめぐります。

 西欧での資本主義とは異なるニュアンスもあるようですが、概ね『資本論』が見通す資本主義経済の内容に沿ったモノであることが紹介されていて、今なお、今後の見通しを占う上での手掛かりとなるようで、資本主義の行き詰まりが顕著な今だからこそ、これだけもてはやされていたんですね!?