分断社会ニッポン/井手英策、佐藤優、前原誠司

 

分断社会ニッポン (朝日新書)

分断社会ニッポン (朝日新書)

 

 

 「知の怪人」佐藤さんが民主党の代表でもあった前原さんとの共著ということで興味をひかれて手に取ってみました。

 元々共著者の井手さんの『分断社会を終わらせる:「だれもが受益者」という財政戦略』という著書があって、それをベースにした対談なんで井手センセイがリードするカタチになります。

 「分断」ということなのですが、小泉政権以降拡大して来た「格差」が広がっており、今や格差を乗り越えるための努力すらできなくなってきていることを指摘されています。

 というのも、まず下層になってしまうと結婚すらできない…できたとしても子供を持つこともできない、さらにはムリして子供を持っても満足な教育を受けさせてあげることができないということで「格差」が固定されるような状況にまでなっているということです。

 井手先生はそういった状況を打破するための方策を提唱される一環として、日本を代表する知性である佐藤さんや、国会議員である前原さんと対談されているワケですが、どうもアベ政治というのは、固定化を助長する方向にあるようで、困ったモノです…ということがあんまり顕著になっていないのがさらに大きな問題なようですが…