国が亡びるということ/佐藤優×竹中平蔵

 

国が亡びるということ

国が亡びるということ

 

 

 以前、2016年に出版されたお二方の対談本を紹介しましたが、これが第一弾のようです。

 佐藤さんって、割と対談本が多いのですが、大体の場合、対談した側が受けに回ることが多くて、2016年のお二方の対談本もそんな色彩が強いのですが、この本は日本を代表する知性であるお二方が、当時民主党政権であった日本の問題点をえぐります。

 世評では有能とされる日本の官僚ですが、世界的に見ると学部卒で幹部となるなんてありえないということで、かなりハンディがあるということとか、イマイチ政治家に世界観が欠けているところとか、日本のダメなところを指摘するのは想定内なのですが、実は日本の影響力と言うのがダメダメな政治家がロクに考えずに下した判断が意外な程だったりと、日本のチカラのあるところも示されます。

 とにかく、まだ売り出し中と言うか、そこまで著述者としてのステータスを確立していなかった、最近よりも結構ギラギラした「知の怪人」を相手に、対抗するというワケではないのですが、自分の武器でがっぷり四つに組み合った議論は圧倒的な迫力です。

 いやあ、レベルの高い本の多い佐藤さんの著書の中でも格別な1冊でした。