『藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた』の中で、地域医療の問題点に鋭い指摘をされていた村上さんの著書です。
村上さんは財政破綻した夕張市において、専任の医師が一人と言う状況で、地域の医療を文字通りカラダを張って守って来られた経験を踏まえて、地域医療、ひいては日本全体の医療の問題点について警鐘を鳴らされます。
医療そのものの問題点としては、検査や投薬が過剰となっており、特に高齢者においてその傾向が顕著であり、必要なところに医療が行き届かない状況を生んでいると同時に、過剰な医療を受けた本人も却って健康を損なう事態を招いているようです。
村上さん自身は、長野県の佐久病院で始められた取組をキッカケに予防医療を徹底された結果、医療費は全国一少ないにも関わらず、全国一の長寿を実現したことをモデルケースにされており、予防医療の普及により“病気になりにくいカラダ”づくりを提唱されています。
また医療を取り巻く環境では、財政破綻した夕張市の特殊事情もあるんでしょうけど、利害関係者が圧力がハンパなかったようで、そういうところも適正な医療の提供に取って大きな障害になっているようです。
こういう正義感あふれる医師がチカラを発揮できるような環境になればと願ってやみません。