もの言うキャスター/大越健介

 

 

 以前NHKの『ニュースウォッチ9』でメインキャスターを務められて、歯に衣着せぬ直言で人気があり、あまりの直言が安倍首相の勘気に触れ、官邸からの圧力でキャスターを降板したとのウワサまである大越さんがキャスター在任中に番組のHPに週一で執筆されていたエッセイを集めた本です。

 大越さんが人気があったのは、どうしてもテレビに出演される人たちって、やっぱり「あちら側」の視点で語られるのが通例で、そんな中で「こちら側」の視点で語られていたためなのかな、とこの本を読んで改めて感じましたが、やっぱり「あちら側」の論理でいうと、ケシカラン!ということになってしまったのかもしれません。

 大越さんがキャスターをされていた間には東日本大震災や広島での集中豪雨などツラい出来事が多かったこともあり、ヘビーな内容のエッセイも多いのですが、そのことがより大越さんの「こちら側」のコメントにつながったのかも知れません。

 最後に究極の「こちら側」の池上さんとの対談が収められていて、こういう人たちをある程度許容するNHKって、意外と懐が広いのかも!?と思ってしまいます。