下流老人/藤田孝典

 

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)

 

 

 経済的に問題を抱える老人たちのサポートをするNPOの運営に関わられている方が、老人の貧困の状況を紹介された本です。

 日本人って、生活保護を受けることに偏見があるようで、困窮していてもできるだけ受けたくないと思っている人が多いということと、受けている人に対する偏見も見受けられるようで、それが貧困を助長する一因ともなっているようです。

 でも経済的に息詰まるということは、誰にでも偶発的に起こりうるもので、自身の浪費とか怠惰な生活態度が原因となっている人の割合はむしろ少なく、急な大病や、親の介護のために離職を強いられるとか、離婚の慰謝料の負担など、誰にでも起こりうることをきっかけに、安定した生活がいきなり暗転するということが多いようです。

 そういう状況に陥らないためには、社会保障の制度をちゃんと把握しておくことと、地域などのコミュニティとちゃんとコンタクトをしておくことなど、意識的に取組む必要があるようです。