論理的に考え、書く力/芳沢光雄

 

論理的に考え、書く力 (光文社新書)

論理的に考え、書く力 (光文社新書)

 

 

 この本も佐藤さんの『牙を研げ』で挙げられていた推薦図書なんですが、昨日までの日本の近現代史とは異なり、論理的思考に関することがテーマです。

 論理的思考がテーマと言いながら、そのノウハウを紹介するといったモノではなく、かつての「ゆとり教育」において、数学のカリキュラムが大幅に削られたことによる、学生たちの論理的思考力の低下に与えた影響の甚大さを語られます。

 「ゆとり教育」といえば、よく円周率の話が引き合いに出されますが、それ以外にも3ケタの掛け算や四則混合計算など、カリキュラムから外れたことによって、計算のプロセス習得の機会が奪われてしまったようです。

 また、マークシート式のテストによって、自分で思考のプロセスを考える力が大きく損なわれていることも指摘されており、少子化に伴う大学全入時代に突入した今、学生たちに迎合した入試によって論理的思考の育成は決定的な危機にあるようです。

 佐藤さんが著書の中で論理的思考力を養うための数学の重要性を再三強調されていますが、今後国際競争力のあるエリートを育てていくためにも、もっともっと、ある意味英語よりもチカラを入れないといけないのが数学なのかも知れません…と最早自分に関係がないので、無責任なことを言う…(笑)