通勤電車のはなし/佐藤信之

 

 

 小池東京都知事が選挙公約に「満員電車ゼロ」というのも盛り込んでいるのを見て、そんな荒唐無稽な…と思うと同時に、そのための手段として2階建て電車を構想として持ち出したところで笑ってしまったのですが、この本は現実的な通勤ラッシュ緩和の取組を追ったというのがテーマです。

 この本、そういう通勤ラッシュの話の前提として、首都圏と関西圏の鉄道ネットワーク形成の経緯を明治時代位から語られます。

 その過程で、高度経済成長期の殺人ラッシュを経て徐々に緩和されていく過程を紹介されています。

 そんな中で、繋ぐ車両を多くするためにホームの延伸をし、新線を開発し、さらに既存の路線の容量を増やすなど着実な対策が練られてきています。

 未だ首都圏ではいくばくかの対策が必要なようですが、関西圏ではほぼ対策が完了し、新線の開発は現在計画されているモノで「終わり」だということです。

 最近は、座って通勤するための列車なんかもラッシュアワーに運航するなど、ひと頃のことを思うと、随分と良くなったもんだなぁ、とワタクシなどは思いますが…