最貧困女子/鈴木大介

 

最貧困女子 (幻冬舎新書)

最貧困女子 (幻冬舎新書)

 

 

 先日紹介した橘さんの『幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』の中で取り上げられていたので手に取ってみたのですが、想像していた以上に壮絶な世界が紹介されます。

 貧困に陥った結果、セックスワークに従事するしかない女性を中心に紹介されているのですが、その中でもシングルマザーに関するところで、あまりの悲惨さに作者である鈴木さんが20人余り取材したところで、取材から逃げて出してしまったということです。

 これまでも少女売春などの“修羅場”をくぐられてきた鈴木さんをしても、目を背けたくなる“現実”を見るにつけ、とても同じ日本の、しかもほぼ現代(本の出版は2014年)のことを取り扱っているとは思えない程の壮絶さでした。

 橘さんが『幸福の「資本論」』でおっしゃっていた「社会資本」を欠くと、現代においてもここまで悲惨な現実が待っているのかと思うと、戦慄を覚えます。