僕たちはこうして仕事を面白くする/NHK「ジセダイ勉強会」編

 

新世代トップランナーの戦いかた 僕たちはこうして仕事を面白くする

新世代トップランナーの戦いかた 僕たちはこうして仕事を面白くする

 

 NHKの若手職員向けにNHK放送センターで開かれていたトークセッションが元となった本です。

 このブログでも数多くの著書を紹介している出口治明さんと共にライフネット生命を立ち上げた岩瀬大輔さんや元プロ陸上選手の為末大さんなど錚々たる面々が自分の仕事への取組みに対して語られているのですが、この手の本って、ただ豪華なメンツに語らせたモノを集めて、結局全体として何が言いたかったの?ってなりがちなことの多い類の企画なんですが、この本は割と方向性がしっかりと各演者に浸透しているようで、かなり太い“軸”を感じさせます。

 あとがきに、それぞれの演者の語られた内容の共通点ということで「問題設定能力」の高さに触れられていますが、ワタクシ個人的には少し違う印象を持っています。

 起業家だけじゃなく企業に勤務する人たちも演者に含まれるので、そうそう好き勝手に仕事を展開できる人たちばかりではないのですが、それでもかなり自分の仕事に取り組むスタンスというのが確立されていて、そういうのがどこから来ているのかというと、「自分の得意・好きなことで勝負する」ことを徹底されているということなのでしょうか…

 そういうと「好きなこと」を如何に“職業”にするかということに腐心することが多いのですが、この本に出てくる人たちは、そういうカタチにこだわるのではなくて、例えば岩瀬さんだったら「誰と仕事をするか?」ということだったり、安藤美冬さんだったら、どうやって仕事をするかという“How”にこだわっていたり…職業や立ち位置に関わらず「自分を出せる」ようにするための“こだわり”ができていて、それを起点にどのように仕事を進めていくのかというデザインができているからこそ、やる気にもなるし成果もでるということのようです。

 よく“自分探し”といいますが、こういうやり方もあるんだということに注目してもらいたいな…と感じさせる本でした。