そうだったのか!朝鮮半島/池上彰

 

そうだったのか! 朝鮮半島

そうだったのか! 朝鮮半島

 

 

 この本は池上さんがあるテーマについて掘り下げたモノを提供する『そうだったのか!』シリーズの1冊で、第二次世界大戦の終焉以降の朝鮮半島史を掘り下げます。

 この本は2014年に出版されて、朴槿恵大統領在任中なんですが、セウォル号沈没事故直後で、朴政権の“終わりの始まり”の辺りまでをカバーされています。

 東西ドイツが統一を果たしたのに対し、未だに韓国と北朝鮮は分断したままで、しかも一方は今や世界の火薬庫と化してしまっていますが、終戦時に端緒を見せつつあった米ソ冷戦の開始がもう少し遅ければ、こういった不幸な状態に陥らずにすんだのかも、とこの本を読んで感じます。

 嫌韓と言われる人だけではなく、割と一般的な日本人の多くは、韓国や北朝鮮の人たちの凝り固まった態度に嫌悪感を示しますが、その根にあるモノを知ると、そういう気にはなれないような気がします。

 日本人で、ここに書かれているような内容の朝鮮半島半島史をつまびらかに把握している人は少ないとは思いますが、かつて彼らを傷つけた民族の子孫としては、ある程度知っておくべきなのではないでしょうか。