壁を超える/川口能活

 

壁を超える (角川新書)

壁を超える (角川新書)

 

 

 長きにわたり日本代表を支えた守護神・川口能活さんの回顧録です。

 同じ話が何度も出てきたり、時系列的に行ったり来たりするなど、構成もへったくれもあったもんではないですが、それだけに赤裸々に川口選手のナマの声が聞けたような気がする内容になっています。

 傍目から見ても輝かしい経歴を誇る川口選手ですが、この本を読んでいるとあれが悔しいとか挫折に関する記述が多くて、この本の中で、「失敗は忘れる」とおっしゃっている割には、うれしかったことよりも悔しかったことの記憶の方が鮮明なようです。

 ということもあってか、ファンとしてはその時の心理を振り返って欲しかった、アトランタ五輪のブラジル戦の勝利のことや中国でのアジアカップの際の鬼気迫るPK阻止連発のことへの記述は素っ気ない位です。

 なんかそういうところも川口選手らしいなあと思うのですが、どなたかもう少しそういう所にフォーカスした本を作ってくれませんかね!?