リーダーは歴史観をみがけ/出口治明

 

 

 昨日に続き出口さんの本なのですが、この本は出口さんが読売新聞の書評欄に寄稿された書評を集めたものだということです。

 なぜこういうタイトルになったかというと、まえがきで触れられているのですが、イノベーションを起こすような斬新なアイデアを生み出そうと思うと、アルファベットの“T”になぞらえて、自分の専門分野に関する知識を縦軸として、それを深めることは不可欠何ですが、横軸の部分を自分の専門以外の所の見識を広げることが重要なのですが、その手段として読書は最適だということです。

 中でも歴史に関する書籍を読むことで、深い思索の素が出来上がるようです。

 書評の中で取り上げられた本の中には、その時のトピックに関連のある書籍を取り上げて、“常識”とはちょっと異なる観点から、そのトピックを見ることを提唱されるようなことをされています。

 例えば女性の天皇即位に関することが話題になっていた時に、かつて女性の天皇が活躍しただけでなく、神話の世界では天皇家の祖先は女性の神である天照大御神だということを忘れてはいませんか!?と凝り固まった考えから逃れるためのヒントを示唆されています。

 取り上げられている本の中に高価な学術書など、ハードルの高い本の含有率が高いんですが、手元に置いておいて、興味のある分野が出てきた時に、この本から参考書を選んで手に取ってみたい気がします。