「知の怪人」佐藤さんが昨今の国際情勢を題材にして、その流れの読み方を語られます。
「ゼロから」とおっしゃっていますが、必ずしも“初歩”からというワケではなく、経緯の最初っからということで、かなり骨のある内容となっていますので、覚悟して取り組まれた方がいいのかもしれません。
2016年の日本でのプーチン大統領と安倍首相の日ロ首脳会談に関わる世評と、佐藤さん自身の評価の差異を取り上げておられるのですが、佐藤さんによると、ある程度の“素養”があれば、オープンになっている情報だけを以ってもある程度核心に近い分析ができるということを指摘されていて、敢えてこの事例においても既出の情報だけを元に分析を展開されたということなのですが、それでも充分に目からウロコな
情報がちりばめられています。(日本が一旦、択捉、国後の放棄を宣言したってことを知ってる日本人ってそうはいないでしょ!?)
後半では同様の手法で、トランプ就任以後のアメリカと金正恩の北朝鮮の分析を紹介されていますが、その落としどころとしての指摘は、何となく腑に落ちる気がしました。
確かに、それなりの修羅場をくぐる必要はあるんでしょうが、そういう人材の育成って、今後複雑さを増す日本の中枢において不可欠なんではないかと思うのですが…