「知の怪人」佐藤優さんが母校であり、佐藤さんの知性の形成に大きな影響を及ぼした同志社大学神学部の学生に対して行った4回の講義を書籍化したものです。
『年収一千万稼ぐ大人になるために』という佐藤さんのイメージからは意外な副題がついていますが、確かにそういったことを佐藤さんご自身がおっしゃってはいるのですが、内容としてはキリスト教の教義に忠実に生きるための方法論を語ったものと言えそうです。
キリスト教は、個人的には意外な気がしたのですが、他の宗教と比較して現世での処世術的なものを重視する側面があるようで、そういう部分を現代の日本社会に即して語られます。
残念ながらワタクシ自身はキリスト教の教義に疎いので、どこまでが教義で、どこからが佐藤さんの経験に基づくものなのかを判別しかねるのですが、キリスト教徒として社会で教義に忠実に生きていくこと自体が、成功に向けた行動につながるという側面が、色濃くあるようです。
そのための行動としては、佐藤さんが再三著書で言及されているのですが、数学を数IIBレベルで習得しておくべきだと言うこと、就活においてはエントリーシートよりもSPIを重視すべきだということ、語学の修得において集中的な取組が重要だということなど、かなり実利的なことも語られます。
実利的な本だと思って手に取って、読み始めたら実はキリスト教の話かよ!?ということで読むのを止めないようにしてください…おそらく今まで読まれたどんな実用書よりも効用の高いことが書かれているはずですから…(もっとも、取組むにはかなりキビシイ内容だったりしますが…)