“マイルドヤンキー”や“さとり世代”など若年層の消費トレンドをテーマとした数多くの著書がある原田さんが、平成が終わりを迎えることになって、平成のトレンドを振り返ります。
原田さんは平成のトレンドを
第一期:平成元-4年(1989-1992年)不自由と享楽
第二期:平成5-7年(1993-1995年)デフレと団塊ジュニア
第三期:平成8-12年(1996-2000年)ネットとケータイ
第四期:平成13-18年(2001-2006年)変化への期待と格差
第五期:平成19-24年(2007-2012年)失望と不安
第六期:平成25-29年(2013-2017年)SNSと炎上
という6つの期間に分けて紹介されています。
それぞれの期間の詳しいトレンドの内容については、興味があれば是非この本を手に取ってくださいということで割愛しますが、平成のトレンドってザックリ言えば、PCやケータイ→スマホがイッキに昭和的なモノを押し流していったって言うような印象を受けます。
というのもネットの普及によりマスメディアの影響力が相対的に低下したのを受けて、多様化した側面もあり、画一的なマーケティングが難しくなった部分もあるようです。
また一時個人主義的な方向に傾いたか見えましたが、最近はSNSの影響もあり“つながり”を重視する方向に揺り戻したようにも伺えます。
最後の方に今後のトレンドについて触れられていますが、そういう“揺り戻し”の流れを受けてか、来る時代には昭和の良いところを取り戻すような流れになると予測されています。
あとがきで、昭和の終焉期に美空ひばりや石原裕次郎という昭和を象徴するスターがこの世を去ったのが、昭和の終わりを象徴していたのと同様に、平成の終焉期に、平成の代表的なアイコンだった安室奈美恵が引退することが象徴的だと指摘されているのが印象的です。