どうすれば愛しあえるの/宮台真司、二村ヒトシ

 

 

 『すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)』などの深遠な性愛論で知られるAV監督の二村ヒトシさんが『制服少女たちの選択』で知られる社会学者の宮台真司さんと性愛について対談された内容をまとめた本です。

 正直この組合せの対談には相当期待したのですが、結論から言ってしまうと『すべてはモテるためである』の世界観を宮台氏がやたらと小難しいコトバでこねくり回しているだけという印象で、読んでいてただただ疲れました。

 ただ時折、ほーっ!?とうならされるような比喩をされるので、読み飛ばすこともできず、余計に疲れた気がしました。

 副題に『幸せな性愛のヒント』とありますが、『すべてはモテるためである』で二村さんがおっしゃっていた、結論のようで実は何の解決にもならない解決策でありながら、なんとなく感覚的にナットクさせられていたことが、やたらと小難しいコトバでこねくり回されることで、ムカッとさせられたような気がします。

 というのも「自己肯定感の高い人は、性愛での満足感が高い」って言われても、その自己肯定感を高められないからこそ人々は悩むんじゃないのか!?とツッコミたくなります。

 ただ1つ気になったのが、二村さんがよくおっしゃる「心の穴」を埋めるためにセックスをするということについて、この本でも触れられているのですが、人は皆、何らかの「心の穴」を持っているモノであり、それは親が作ってしまうモノであるという側面を語られていて、性愛について親の影響の大きさを指摘されているところです。

 ムスメたちにミョーな「心の穴」を作っていなければ…と祈らざるを得ません…