中年童貞/渡部伸

 

中年童貞 ―少子化時代の恋愛格差― (扶桑社新書)

中年童貞 ―少子化時代の恋愛格差― (扶桑社新書)

 

 

 「全国童貞連合」を立ち上げられた方で、この本を書かれた当時34歳にして童貞だという方の“ココロの叫び”です。

 以前2015年に出版された中村淳彦さんの『ルポ 中年童貞 (幻冬舎新書)』を紹介しましたが、作者のキャラゆえなのか、この本が書かれた2007年当時の時代背景なのか、まだ笑えるところがあります。

 この本の対談でも触れられているのですが、当時は“恋愛至上主義”的な風潮があったということで、それだけに童貞の、しかも中年で、ということだと、さぞ肩身の狭い思いをされたと思いますが、渡部さんは前向きに何とか女性と付き合って、セックスするチャンスはないかと必死です。

 そんな中で、どうして恋愛をしなくてはならないのか?と疑問を差し挟む「全国童貞連合」会員を紹介されているのですが、当時はそういう考えの人は少なかったようなのですが、対談の中でその人が、いずれ自分のような考え方が主流になるということを言っていて、まさに“草食男子”が主流となる現在を予言していたことになります。

 少子化対策が政府予定で云々されていますが、的外れな議論が多く、せめてこういう恋愛に対して、意識だけでも前向きな姿勢を追ってもらおうという気概こそが最大の“対策”になるのかも知れませんね…(笑)