お金2.0/佐藤航陽

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 

 ビッグデータを活用したコンサルティングなどの事業を経営されている方の著書です。

 この方、母子家庭に育ってお金についていろいろと思索を巡らせてきたということで、いつかおカネについての考え方についての本を出版したいと思われていたということですが、お金についての基本的な考え方から、フィンテックや仮想通貨と言った新しい潮流を踏まえて、今後経済を取り巻く社会がどうなるかと言ったことに触れられます。

 これまで100年以上にわたり資本主義が世界を席巻していたのですが、昨今その資本主義の制度疲労が目立っていることが指摘されているのですが、SNSの進展によって、段々と貨幣で測れない価値というものが様々な場面で現れるようになってきて、さらにはそういう部分の価値を交換するような仕組みも出てきて、資本主義から“価値主義”ともいえるパラダイムシフトが起こっているということを指摘されています。

 最近ビットコインなどの仮想通貨絡みの不祥事が取り沙汰されていますが、こういうモノに対してアヤシげな目を向けることも、旧来的な色メガネを通してみているからであって、あくまでも違うルールでのフィールドで捉えるべきだということで、そういうフラットな目でみると、かなり新たな可能性を秘めているようです。

 その先には、従来国家が独占していた経済圏を形成する機能を、従来では考えられないほど低いハードルで手にできるということと、引いては、政治も経済も宗教も、その境界がなくなるんじゃないかということです…

 正直、ワタクシ自身も旧来的な価値観に支配されているところもあって、この本に書かれていることの半分も理解できていないのかな、という気はしますが、ワタクシのムスメたちが生まれ流れにスマホがあって、それがあるということに特別な感慨を抱かないように、ビットコイントークンなどを特別視しない世代が、国も貨幣も飛び越えた世の中を見せてくれる可能性を指摘されていることなど、佐藤さんの先見性にアゼンとするばかりです。