お金に好かれる極意/大村大次郎

 

お金に好かれる極意 (祥伝社新書)

お金に好かれる極意 (祥伝社新書)

 

 

 元国税調査官で『あらゆる領収書は経費で落とせる (中公新書ラクレ)』の著者と
して知られる大村さんがおカネのリテラシーを語られます。

 国税調査官として多くのお金持ちと、そうでない人と接して来られた経験から、その両者を分けるものは何なんだろうということの考察がこの本のメインテーマなんですが、そんな中でお金持ちの資質として「誠実さ」と「狡猾さ」という一見相反する要素を併せ持っていることが多いということです。

 かつ意外に思えるのがおカネの無い人の方がおカネ持ちよりもおカネに対する関心が低く、割とカンタンに財布のヒモを緩めてしまう傾向が強いようです。

 ということで大谷さんは「お金に好かれる」ための重要な要素として、おカネへの関心を高めておカネに纏わる様々なことを知ろうとする努力を怠らないことが重要だとおっしゃいます。

 そうすることによってよりおカネとの関係性が深まり、ひいてはおカネが集まっていることにつながるということです。

 おカネへの関心について大村さんは異性への関心になぞらえて追われて、すべてにおいて関心を高めるということと関係性を強めるということは同列であって、おカネについても同じようにすべきなんだということです。

 一つおカネに関する論点でビックリさせられたのが、おカネに関する本でよく論点になる“持ち家”or“賃貸”のいずれが有利かということについて、大村さんはそんなの“持ち家”に決まってるやん!的に“賃貸”を切り捨てて言うのを見て、この論点を取り上げた人が概ね歯切れが悪いというか、あれこれ考察を踏まえた上で、いや、状況に寄るんですよ…みたいな結論にもなっていない表現をする人が多い中、ちょっと意外だったりしました。

 いずれにせよ、自分の中のおカネへの方向性を見出そうとする上でたくさんのヒントが詰め込まれた本だと思うので、イマイチおカネへのイメージを捉えかねている人は、是非手に取って欲しいと思います。