百歳人生を生きるヒント/五木寛之

 

 

 先日、『孤独のすすめ - 人生後半の生き方 (中公新書ラクレ)』を紹介したのですが、その本と『百歳人生を生きるヒント 日経プレミアシリーズ』という本の続編のような位置づけの本みたいです。

 『孤独のすすめ』では、老人を阻害する傾向について語られていて、「下山の思想」ということで、いつまでも拡大志向を持ち続けるのではなくて、徐々に慎ましやかな生活へとシフトしていくことを提唱されていましたが、この本は言ってみれば、その実践編とでも言える内容となっています。

 特に会社を退職した人がいつまでも以前の地位に恋々として、勘違いした態度を取りたがることを指摘されていますが、如何にそういう思考から脱却して謙虚に、かつ慎ま
しやかに、それでいて本来の自分らしく生きるのかという方法論について紹介されています。

 そういう意味では、ちゃんと自分を見つめなおすことが、シンプルな生活に回帰するために最も重要な要素だと言えるのかも知れませんね。