サッカー覚書/中村俊輔

 

中村俊輔 サッカー覚書

中村俊輔 サッカー覚書

 

 

 長らくサッカー日本代表のエースとして活躍した中村俊輔選手が、スポーツ誌Numberでご自身のキャリアを振り返られた連載で構成された本です。

 ヨーロッパでの経験、日本代表での経験、マリノスジュビロでの経験をそれぞれ語られるのですが、その深みが印象的です。

 スコットランドセルティック所属当時に、何度もチャンピオンズリーグで活躍された様子も振り返られているのですが、今考えてみると夢のような活躍ですよね!?

 CLでのマンU戦やミラン戦で印象的だったフリーキックのことも深く語られているのが印象的なのですが、フリーキックは、蹴るその時だけでなく、チーム内においてフリーキッカーとしての地位を確立するための闘い、特にヨーロッパのチームにおいては、蹴りたい人が多いこともあって、チームメイトをナットクさせるだけのクオリティを示す必要があるという、そこからして、フリーキックを決めるための闘いが始まっているというのが印象的です。

 そういう結果を残すための原点として、マリノスで高校卒業後すぐにフリーキッカーとなるべく指名された当時、チーム内でGKが当時不動の日本代表川口能活、壁に立つのが日本代表の重鎮である井原らだということで、壁にあてずにゴールを決める必要がある言うことで、練習からして本番以上の緊張を強いられたことが、FKの盟主中村俊輔を育んだというのが面白く感じます。

 まだまだトップレベルで活躍する中村選手、カズ並みの選手生命を保ってもらいたいものです。