日本の醜さ/井上章一

 

 

 『京都ぎらい (朝日新書)』の著者として知られる方が日本の都市建築について語られた本です。

 日本人は“和”の精神がどうのこうのとか言うけれど、街並みを見ると、空気を読むとか調和だとかといったことはまったく感じることはできなくて、伝統的なヨーロッパの街並みと比べると、テンでバラバラで美意識が感じられないとおっしゃいます。

 昨今のビル建設においても、自分のところだけよければいいといった発想がアリアリだとも指摘されています。

 まあ、ここまではある程度ナットク感がなくはないのですが、フランス人は戦争が始まると、いち早く文化財の保護を優先したということを取り上げて、伝統の保護のためなら戦争に負けることも厭わないと、その姿勢を称賛されているのですが、ちょっと言い過ぎなんじゃ、と思うんですけど…

 まあ言ってみれば京都人らしいナナメからのモノの見方で不快な人はとことん不快でしょうし、ワタクシ自身もちょっとイラッとくるところがなかったワケではないのですが、このブログを継続的に見てくださっている方(そんな人がいるのか!?)は気付かれているかも知れないのですが、ワタクシ自身にもそういうモノが色濃くあるという自覚がありますので、多少に不快感を感じつつもシンパシーを感じるところがあります。

 そういえば『京都ぎらい』が未読だったのを思い出したので近いうちに手に取ってみようかと思います。(笑)