残念な職場/河合薫

 

 

 ANAのCAからニュースステーションでの気象キャスターを経て、現在は健康社会学の研究者として活動されている河合さんが、研究における企業でのフィールドスタディからの知見を踏まえて、現代日本企業での“残念”な現状を紹介されています。

 そういう“残念”な現状を、有能で責任感のある人ほど出世ができなかったり、有能な“現場”を台無しにする経営層だったり、女性を活用できない現状だったり、やたらと残業させることで、スタッフを疲弊させる現状を紹介されます。

 正直、ワタクシ自身もかなり“日本的”な企業に勤務していることもあって、この本に書かれていることに思い当たるフシが無くもないのですが、ここまでの不合理があって、よくぞ日本の会社はモッてるもんだなあ、と思いますが、これも長期雇用慣行が崩壊して、より顕著になったということで、河合さんは長期雇用均衡的な要素を少し取り戻すことで、もうちょっと全体的なモチベーションや活力が盛り返してくるんじゃないかというのが、意外な結論でしたが、この本を読んでいるとナットクできるところが多いな、と思えます。

 何でもかんでも欧米の潮流に倣えばいいってもんじゃない、というのが意外ですが、アリなのかなと思えます。